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2010年02月05日

エレクトリックブルーの衝撃 パライバトルマリン

1982年ブラジル。
パライバ州の鉱山で働く一人の採掘人、エイトール・バルボサが、
集めた原石の中に1粒の輝く原石を見つけました。

彼はその輝きに魅せられ、
仲間を引き連れて周辺の採掘を始めました。

しかし、掘っても掘っても手掛かりはみつかりません。
それでも、自分の見つけた宝石の魅力にとりつかれ、
家財も売り払って彫り続けた5年後、
青く輝く10グラムの原石を発見したのです。

パライバトルマリンの発見でした。
エレクトリックブルーの衝撃 パライバトルマリン
数えきれないほどの色をもつトルマリンですが、
自らが光を放つようなネオンカラーの宝石は世間に衝撃を与えました。

またたく間に価格が跳ねあがり、盛んに採掘がスタート。
地権者との争いも頻発しました。

鉱山は掘りつくされ、石の供給は不安定に。
ついに、パライバ州の鉱山ではほとんど採掘されなくなってしまったのです。

あっという間に幻の宝石となりましたが、
現在では隣の州の鉱山で僅かに掘られたものと、
近年アフリカ見つかった石を加熱処理した、ほぼ同じ色のトルマリンで
パライバトルマリンの需要に対応しています。

その鮮やかな青の秘密は銅。
ほんのわずかな元素の違いが、人の心を動かすほどの美しさを呼び起こします。

まるで、地球自らが放つ光を凝縮したかのような、
人の本能に訴えかけるネオンカラー。
一挙に人気の宝石となったのも頷けます。

大粒でも決して嫌味な主張をせず、
小さな粒でも、ジュエリー清涼感のある彩りを添えてくれます。

こんな近年まれにみる発見が、
これからもあるかも知れないと思うとワクワクしませんか?


宝石の世界は、まだまだ未知なる事がいっぱいです。


パライバトルマリン  
鉱物名:トルマリン
和名:電気石
組成:アルミニウムとリチウムと硼素のケイ酸塩化合物
硬度:7~7.5
結晶:六方晶系
誕生石:10月    


当店発行:ジュエラーズニュース2月号『ジュエラー達が語る、ジュエリーのお話』掲載予定


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プロフィール
まーちん
まーちん
静岡県浜松市出身。
大手企業で法人営業を経験後、ジュエリーをはじめとした高級品の外商部門へ配属。宝石や営業への苦手意識や怪しそうな先入観があり、克服したい思いと逃げ出したい思いから配属初年で全国トップセールスとなる。
数年後、部門の買収を機にIT関連企業から声をかけていただき転職、ジュエリーWEBショップサイトを運営する。
オリジナルジュエリーを企画・販売する中で、いつしかジュエリーを好きになっている自分に気づくと同時に、あまりにもそれを知らないことに気付く。宝飾業界の販売のあり方にも疑問が募り、販売技術だけでなく「ジュエリーそのものを1から学びたい」との思いが芽生えたため、退職してイタリア・フィレンツェのジュエリースクールに単身留学。
多くの熟練マエストロ達からイタリア式ジュエリー制作、フレンツェ流透かし、デザイン、彫刻などを学ぶ。

帰国後、ヨーロッパスタイルの「工房&ショップ」でオーダーメイド・ブライダルジュエリーを制作するアトリエフィロンドールへ仲間入り。様々なジュエリーの現場経験と製作経験を生かして、理想のジュエリーづくりのお手伝いをする。
・GIA(米国宝石学会)ダイアモンド修了士。
・ブライダルジュエリーブランド「MIORING」、「HISTOIRE de Filondor」ディレクター
・1級ジュエリーリモデルカウンセラー(JRC)

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