Jeweler's Style

  

長年使っている腕時計。
先日10年目を期にオーバーホール（分解清掃・修理）に出したのですが、ちょうど1ヶ月が経ち手元に戻ってきました。


外された部品たち。

本当はもっと早くやらなきゃいけないのだけど、費用が結構かかるんですよね。
それも、まあまあの時計が1個買えるくらい。
1日3分くらい遅れるようになり、我慢の限界を突破したので思い切りました。

大切な贈り物としていただき、毎日身につけて10年。
とても気に入ってコレばかりを身に着けるようになり、
それまでに仕事を頑張って買った時計たちも全く使わなくなってしまいました。
戻ってくると嬉しいもんです。

気に入った良い物を手入れしながら長く使うのは、良いものだなぁと思います。
これはジュエリーも同じです。
悩んだ時も、嬉しい時も、色々な時間を一緒に過ごし、自分の一部が染みこんでいくような気がします。

お客様に作らせていただいた結婚指輪や、修理やケアを相談いただくジュエリーにも、
思い出や過ごした時間が一緒に刻まれています。
なるべくならいつまでも使えるようにしたいもの。
でも、基本的な作りがしっかりとしていないために修理できない場合が多く、悔しい思いを日々しています。
作りの良し悪しを他人に強制することはできないので、せめて自分たちで作るものは良いものでありたいですね。

自分がジュエリーの道で生きていくと決めた20代後半から、はや10年。
次にこの時計を修理に出すときには、きっと自分も40代。
シワの増えた自分と、傷の増えた時計がちょっと楽しみでもあります。