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2016年09月21日

世界一幸せなジュエリーの仕事

「ジュエリーショップの仕事」と聞くと、どんな印象を持ちますか?
華やかで素敵なイメージでしょうか、それともなんだか怪しくて不純な印象でしょうか。
私達アトリエ・フィロンドールが新たなスタッフの募集をするのにあたって、ふとそんな事を考えました。

思い返すと私の社会人2年目、ジュエリー関連の事業部に配属された頃、同時期に社会人になった友人たちと話をすると、「怪しい仕事してるな」とか「もっとまともな仕事あるだろ」などとよく言われたものでした。

新卒で就職してジュエリーと出会うきっかけとなった企業へは、大手自動車メーカー本体の内定を断って入社したこともあり、友人からかけられる言葉は手厳しい(思いやりのある)ものでした。
これが周囲から見た一つの本音。はずかしながら当時は自分にも同じような思いがあったのが偽らざるところです。




ジュエリー業界も狭いようでいて広く、様々なスタイルで仕事が成り立っています。
その中には本当に人の喜びに寄りそった良心的なものもあれば、かなり際どいものもあり、内情は様々です。私自身も訪販・催事販売、チェーン店、WEBショップ、様々な業態で働きましたが、苦しんだ時期もありました。

ジュエリーに関わる仕事についてから、15年ほど。
アトリエ・フィロンドールでの仕事を始めてから7年。
今は心から幸せだと感じながら仕事ができています。
「こんなに幸せな仕事、環境はきっとほかにはないだろう」そんな風に思えるほどです。

ジュエリーの仕事は、人を幸せにしながら、自分も幸せになれる仕事です。
喜びに溢れた二人、誰かを喜ばせたいと願う人、何かを誓いたいと思う人。
そんな方々のために、ただ目の前の商品を販売するのではなく、納得のいく商品を自分たちで創り、納める。作ったものは永遠に誰かの宝物となり、世代を超えて受け継いでもらえます。
また、様々な幸せのシーンにあるお客様が笑顔で訪れ、買っていただいているのに「ありがとう」をいただけるのです。

こんな幸せを、もっと多くの方にも知ってほしいと心から思います。


この業界では、女性を中心とした若い方がショップ店員として就職しても、数年で辞めていく残念な実態があります。
ノルマやプレッシャー、人間関係…どの業界にもありがちな障害ですが、これを乗り越えてジュエリーを『一生の仕事』にしている方が少なく、もったいないなぁといつも思います。
デザインやクラフト、宝石(鉱物)そのものに関する『基礎体力』とも言える知識をないがしろにして、即席の戦力としての販売力(トーク力)を求められ、また責任や数字を押し付けられる。
個人が向上していようといまいと、会社での目標達成を個人の『成長』だとすり替えられ、ひたすらに売上へと突き進む指導を良しとする。
今のジュエリー販売の弊害の一端だと感じています。

私達が描く理想は、使い捨ての『優秀な販売員』ではなく、『優秀なジュエラー』です。
企画・デザイン・製作・販売、全てを手がけるアトリエで学ぶことで、店頭の品物や資料で学ぶだけでは得られないものを身につける。
そして、ジュエリーに関わることで得られる『幸せ』を実感して、ずっと続けられる、ずっと続けたいと思えるプロになって欲しいのです。


ジュエリーは非日常であり、少しわかりにくい専門的なもの。
だからこそ期待も不安も、良いイメージも悪いイメージもあるかもしれません。
良い会社、良い環境と出会い、「ジュエリーの仕事は素晴らしい。」
一緒にそう胸をはって言える仲間を一人でも多く増やすことができたらなと思います。



浜松市の就職情報サイト JOBはま! アトリエ・フィロンドール
https://www.shigoto-hamamatsu.com/job/138/   
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Posted by まーちん at 22:48Comments(0)ジュエリー

2016年09月09日

親友の結婚指輪を製作中

学生時代からの親友が結婚することになり、
結婚指輪を製作しています。


指輪の形ができあがり、ストーンをセットしました。これから磨き、仕上げの工程に入ります。

プラチナを手作業で鍛造して成形、削り出し。
手彫りのミル打ちとミャンマー産の最高級ルビー、ブラックダイアモンドが入っています。

仕事で遠くにいるにもかかわらず、わざわざ二人で浜松まで来てくれて、
じっくり打ち合わせをしてデザインを決めました。
もちろん、以前作らせてもらった婚約指輪とも重ねて使えるように、
幅や厚さまで微調整。
彼にはもったいないくらいの(笑)、素敵な奥さんの指にきっと似合うはずです。


指輪の製作は、もちろん、どのお客様からのものでも最高の仕上がりになるように全力で向かうのですが、
付き合いの長い友人の指輪を作る時には、正直に言うとやはり特別な感慨があります。

「あんな楽しい思い出があったな」とか、
「こんなぶつかり合いがあったな」とか、
「将来はこうしたいと思うんだ」と相談したっけな、とか。
加工が進むとともに色々なことを思い出します。

考えてみれば、友人と出会ってからの年月は、もう自分の人生の半分を超えていました。
この指輪なら、きっとその倍以上二人に寄り添ってくれるでしょう。

心を込めて作られたジュエリーはただの貴金属ではなく、人の気持ちを受け入れる「器」のようなもの。
使う人、渡す人の気持ちだけでなく、作ったひとの気持ちも入っていると思っています。
私からの「おめでとう」は、この指輪にいっぱい入れておきました。

さあ、仕上げ仕上げ!

  
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Posted by まーちん at 17:34Comments(0)ジュエリー

2016年09月04日

『勇気』の指輪 ― ジュエラーのできること

先日、私共アトリエ・フィロンドールに一人の男性がお越しくださいました。
とても気さくで、姿勢がよく、声に張りのある男性です。

使い込まれた結婚指輪を差し出し、愛想良く、少し申し訳無さそうにおっしゃいました。
「他店で買ったもので申し訳ないのですが、この指輪の内側に文字を刻印してほしいのです。」




もちろん、私共はどこでお求めになった指輪でも、素材やデザインに無理がなければ刻印をお入れしております。
「どのようにお入れいたしますか?」とお伺いしたところ、ご希望の文字は次のようなものでした。

“COURAGE”(勇気)

そのお客様のおっしゃるには、通常では手の施しようのない進行度の病が見つかり、
これから、わずかな可能性に望みをかけて実験的な治療にチャレンジするとのことです。

「自分に負けないように、これから立ち向かうものに臆することのないように、
『勇気』という文字を指輪に刻んで向かいたい」

とおっしゃいました。

「また、もし万が一、万が一のことがあった場合も、私の勇気を刻んだ指輪が残る。
子供がそれを見てくれると思う。」


とても衝撃的なことを、あまりにも普通に、屈託なくおっしゃる姿に衝撃を受け、
同時に、葛藤や壁を既に乗り越えてこられた方の覚悟や強さを感じました。


私達ジュエラーは、医師や警察官、消防士さんのように、人を物理的に助けることはできません。
過去には「キラキラしたものを販売するだけの仕事」だと悩んだこともあります。
ですが、いつも身につけるジュエリーとして寄り添うことで、人の心を少しだけ手助け
することができるのかもしれない。そんなことを確信した出来事でした。

私達が刻みこんだ「勇気」が心の炎となって、どんな戦いにも立ち向かうことができる。
医学や生理学の限界を超えた何かを、指輪が間違いなくもたらしてくれるでしょう。

澄み切った、強く輝く気持ちで戦えるように指輪を念入りに磨き上げ、
内側にはご希望どおり、『COURAGE』を刻印させていただきました。
お客様の薬指にいつでも触れる「勇気」が、きっと力になってくれると願って。


刻印の内容はお客様だけのものであるべきだと思い、撮影しませんでした。


数年後に、
「指輪が少しくすんできたから、ピカピカにしてくれませんか?」
そんなふうにふらりと、あのお客様にまたお目にかかれる日がくると信じております。

皆さんの指輪の内側には、どんな文字が刻まれていますか?
  
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Posted by まーちん at 00:39Comments(0)ジュエリー

2016年09月01日

自家製いちじくの手作りジャム

スタッフしずちゃんの作ってくれたいちじくジャム。



お庭で作った自家製のいちじくを、
手作りでジャムにしてスタッフみんなにおすそ分けしてくれました。

美味しさに感動…。

いちじくのコンフィチュールはフレンチでもイタリアンでも定番ですよね。
香りがよくてすごく贅沢。

ちゃんと育てた新鮮なものを、味見をしながら美味しく手作り。
こういうのって幸せだわ。

こんなふうにジュエリーを作りたいものです。  
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Posted by まーちん at 10:14Comments(0)たべもの
プロフィール
まーちん
まーちん
静岡県浜松市出身。
大手企業で法人営業を経験後、ジュエリーをはじめとした高級品の外商部門へ配属。宝石や営業への苦手意識や怪しそうな先入観があり、克服したい思いと逃げ出したい思いから配属初年で全国トップセールスとなる。
数年後、部門の買収を機にIT関連企業から声をかけていただき転職、ジュエリーWEBショップサイトを運営する。
オリジナルジュエリーを企画・販売する中で、いつしかジュエリーを好きになっている自分に気づくと同時に、あまりにもそれを知らないことに気付く。宝飾業界の販売のあり方にも疑問が募り、販売技術だけでなく「ジュエリーそのものを1から学びたい」との思いが芽生えたため、退職してイタリア・フィレンツェのジュエリースクールに単身留学。
多くの熟練マエストロ達からイタリア式ジュエリー制作、フレンツェ流透かし、デザイン、彫刻などを学ぶ。

帰国後、ヨーロッパスタイルの「工房&ショップ」でオーダーメイド・ブライダルジュエリーを制作するアトリエフィロンドールへ仲間入り。様々なジュエリーの現場経験と製作経験を生かして、理想のジュエリーづくりのお手伝いをする。
・GIA(米国宝石学会)ダイアモンド修了士。
・ブライダルジュエリーブランド「MIORING」、「HISTOIRE de Filondor」ディレクター
・1級ジュエリーリモデルカウンセラー(JRC)

アトリエ・フィロンドール
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