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2011年10月25日

ピンクゴールドのダイアモンドペンダントを作りました

仕事の合間に、個人的にダイアモンドペンダントを作りました。

…ずいぶん前に作ってご紹介を忘れていました。
このブログでも、製作工程を何度か紹介したことがあるかも。
(他にも、時間が経ってしまって「いまさら…」みたいなものが沢山ありますです)

ペアシェイプのダイアモンド(0.25ct)を使った
K18PG(18金ピンクゴールド)のネックレスです。

最初のラフイメージはこんな感じ


完成品がこちら


ペアシェイプ(涙型)の綺麗な石が手に入ったので、
石に合わせた一点モノで製作。
ミル打ちや縄目の入ったアンティークジュエリーの印象でデザインしました。

一番上のチェーンが通る部分、真ん中の部分、ダイヤの部分をそれぞれ
「ユラユラ」っと横に揺れるような作りにしています。
ダイヤのペンダントは動きがあるとキラキラ感が増幅してキレイですよね。

・バチカン(一番上)は縄目を付けたクラシックな印象。
トップが裏返らないように安定感のある大きさにしました。金で作った縄がついています。

・中央部分は塊を削り出して製作。
透明なメレダイヤを久しぶりに彫り留めして、周囲にミル打ちを彫り入れました。
メレの周りは洋彫りタガネでしっかり彫っているので、二回りほど大きなダイヤを入れたような
強い輝きに仕上がっています。

・一番下、ダイアモンドの石座はワックスを削って製作。
ベゼルセッティング(覆輪留め)として、ダイヤの周りを彫ることで形をととのえました。
手間がかかりますが、よりダイアモンドを大きく輝かせます。


オーソドックスではありますが、
アンティークのような繊細なゴージャス感と、素朴なハンドメイド感の同居するイメージ。


今度はダイヤの原石を使ったバングルでも作りたいと思っています。
時間があればなぁ。  
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Posted by まーちん at 20:01Comments(2)ジュエリー

2011年10月24日

指輪の製法 鍛造(たんぞう)と鋳造(ちゅうぞう)

指輪には様々なデザインがありますが、
それに合わせて様々な作り方で製作されています。
見た目には全く同じデザインの指輪が2つあっても、
実はそれぞれが全く違う方法で作られていることもあります。

指輪は主に「鍛造(たんぞう)」「鋳造(ちゅうぞう)」の2種類の製法で製作されていて、
それぞれに長所や短所があるため、同じデザインに作られた指輪でも性質や価格が
大きく異なる場合があります。
また、それぞれの長所を活かすために異なる製法で作ったパーツを組み合わせて
1つの指輪を作ることもよくあることです。

最近、製法に関してアピールして販売するショップやブランドが増えたためか、
お問合せをよくいただくようになりました。
フィロンドールのウェブサイト「ジュエリーに関する基礎知識」のために文章を書いたので、
ブログでも紹介させていただきます。

知恵袋のようなサイトはおろか、ジュエリーショップ店員でも間違った知識を持っていたり、
「鍛造こそが素晴らしい製法で、他は駄目」というような偏った解説もあったりするので、
利害とは関係なく、なるべくフラットな目線でご説明してみます。


鍛造(たんぞう)製法


金属を「鍛えて造る」製法で、金属に圧力をかけて伸ばしたり、曲げたりして指輪を形作る方法です。
鍛造にも大きく分けて2種類の方法があります。

1.伝統的な鍛造製法
金属の塊を叩いたり、伸ばしたりして棒状にしたものを曲げて指輪を作る方法です。
熱して柔らかくした金属が鍛えられ、引き締められながら徐々に成形されていきます。
多くの手間と職人の経験や技量が必要とされる方法です。

2.プレス・削りだしによる鍛造製法
金属をプレス機にかけて高圧で圧縮し、塊にしたものを機械で丸く打ち抜いたり、
切削機で削り出したりして指輪を作る方法です。
自動車などの機械部品を作る工程を応用して製作される場合もあります。

・長所
金属が鍛えられることで引き締まり、加工硬化と呼ばれる金属組織の変化が起こることで
密度が高くて強い指輪になります。
鋳造製法に比べて変形にも比較的強く、金属表面の硬度も高い傾向にあります。
手にしたときの質感(重量感、しっかり感)が高く、表面硬度も高いため磨いた際の輝きも強くなります。
プレス式の製法の場合は工業製品のような正確さがあります。
※プレス式の場合はある程度の量産も可能です。

・短所
金属を曲げたり、削りだしたりして制作するため、曲線や複雑なデザインを作るのが難しい製法です。
デザインは真っ直ぐなシルエットのリングに限定されがちです。
伝統的な鍛造の場合は大量生産が難しく、職人の技量や経験が問われます
サイズ直し等の加工のために高温に加熱すれば鈍(なま)って柔らかくなってしまいます。


鍛造製法で作られた当店の指輪

HISTOIRE de Filondor
Basileマリッジリング  オリジナルブランド「HISTOIRE(イストア)」ウェブサイトが開きます。
Reineマリッジリング
Lucasマリッジリング

MIORING
花筏(はないかだ)マリッジリング  オリジナルブランド「MIORING(ミオリング)」ウェブサイトが開きます。
結(ゆい)マリッジリング
花衣(はなごろも)マリッジリング



鋳造(ちゅうぞう)製法

ワックスと呼ばれる樹脂を削って指輪の「原型」という型を作り、
溶かした金やプラチナを流し込んで固めることで造形する製法です。
樹脂で制作したものがそのまま金属になるので、金属そのものを加工するよりも作業しやすく、
コンピューターや簡単に修正できる素材を使って合理的にジュエリーを制作できます。

・長所
複雑なデザインを作ることに向いていて、硬い金属そのものを加工する必要がないため、
繊細な造形が可能です。デザインの自由度が高く、他の製法では実現できない自由なデザインを作ることもできます
型を作れば同じものを幾つでも製作できるため、大量生産にも向いています。
多くのブライダルジュエリーでこの製法がとられ、繊細なデザインのジュエリーを大量に、
コストを下げて作れるようになりました。

・短所
高温で溶かした金属を型に流し込む際に気泡が混入してしまったり、
金属の密度にムラが発生して「ス」(金属内部の穴)ができてしまうことがあります。
できてしまった「ス」は溶かした金属で埋められたり、そのまま隠されてしまうことが多いようですが、
しっかりと対処しなければ耐久性の低下を招く場合もあります。
金属が引き締まっていなかったり気泡が入ることがあるため、
鍛造製法で作られたものに比べて柔らかい傾向があります。


鋳造製法で作られた当店の指輪

HISTOIRE de Filondor
Agatheマリッジリング  オリジナルブランド「HISTOIRE(イストア)」ウェブサイトが開きます。
Didierマリッジリング
Sophieマリッジリング

MIORING
匠花(しょうか)Ⅰマリッジリング  オリジナルブランド「MIORING」ウェブサイトが開きます。
陽向(ひなた)マリッジリング
木漏陽(こもれび)マリッジリング


理想的な作り方は?

指輪の製法についてはどちらが決定的に良い・悪いということはなく、
目的の指輪を形にするために最良の方法を見極め、それぞれの良い点を生かして製作することが大切です。
鋳造製法だからこそ繊細な美しさを表現できるデザインがあれば、
鍛造製法ならではの質感の高い美しさを表現できるデザインもあり、
一概にどちらが優れているとは言えないのです。
また、最適な方法を選んだり、組み合わせたりすることでコストを抑えながら良い指輪を作ることも十分に可能です。

アトリエ・フィロンドールでは、大切なのは製法ではなく、
「完成した指輪がジュエリーとして美しいか、ご使用状況やご要望に合っているか」
ということだと考えています。
それぞれの製法の長所・短所を踏まえ、長所をよく生かして、短所を補うように製作しています。
特定の作り方をご注文いただくことも可能ですが、ご希望や疑問があれば、
まずはお気軽にスタッフまでお問合せください。

  
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Posted by まーちん at 19:48Comments(0)ジュエリー

2011年10月22日

札幌、新千歳空港から

札幌、新千歳空港。
まもなく浜松への帰路につきます。

いよいよ北海道でもMIORINGの展開がスタートします。
ショップスタッフの皆様への商品説明・勉強会のため、
昨日北海道に入りました。



想像していたよりもずっと冷えました。
紅葉もキレイ!

MIORINGは展開スタートにあたり、
必ず商品を取り扱っていただくスタッフの皆様に
説明にうかがうようにしています。

結婚指輪や婚約指輪は、
一生の記念に残るもの。
お二人の幸せな生活を象徴するものです。

直接お客様に会って説明できないだけに、
私たち自身が販売する以上に丁寧にご説明する必要があると思っています。

MIORINGはこだわって、思いを込めて作っているだけに、
ただ闇雲にお店を増やすのではなく、
丁寧に、しっかりとお伝えできる範囲を広げていけるのが理想です。

11月1日に正式リリースとなりますが、
今回のショップ様もスタッフさんの質が高く、
お客様にご満足を提供できると確信しました。

北海道でも、私たちの作った指輪で沢山の笑顔が生まれることを祈って。

!!
もうすぐ離陸だ!  
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Posted by まーちん at 15:29Comments(0)MIORING

2011年10月18日

T.Shiojima Collection Pique開催中

日本を代表するエクセレントジュエラー
「塩島敏彦」先生をお迎えして、
2年ぶりに作品展を開催しております。



誰もが魅了される美しさもさることながら、
ジュエリーを製作しているからこそわかる作品の奥深さは
思わずため息がでるほどの素晴らしさ。


一見の価値ありです。

明日10月19日まで開催中です。
ぜひお立ち寄り下さい。  
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Posted by まーちん at 18:29Comments(0)アトリエ・フィロンドール

2011年10月17日

womo半田山特集の取材

フリーペーパー「womo(ウーモ)」さんの12月号
「半田山特集」の取材に、ライターさんとカメラマンさんがいらしています。


ジュエリーの写真を撮影中

クリスマスのプレゼントにオススメの、
当店のハンドメイドジュエリーが特集される予定です。

なんと、新作のジュエリーやwomoだけの特典も!
工房のでの制作風景も紹介されます。

11月24日発行なのでお楽しみに~!
  
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Posted by まーちん at 13:45Comments(0)アトリエ・フィロンドール

2011年10月16日

気持ちのいい日曜日

日曜日。
昨日までの雨が止んで、気持ちのいい秋の日になりましたね。

昨日も閉店時間過ぎまで、
沢山のお客様にご来店いただきありがとうございました。

こんな世相ですが、
ご来店いただけるお客様がどんどん増えていくことに
心より感謝しております。

毎日、結婚を控えた幸せな方々に会えるのは
とても幸せな仕事です。

今日も沢山のご来店をお待ちしております!


Atelier Filondor  
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Posted by まーちん at 11:49Comments(0)アトリエ・フィロンドール

2011年10月09日

福山にてMIORINGオーダー会

広島県福山市に来ております。

今日はフィオレフジイさんにてMIORINGの
オーダー会を開催します。

オリジナルのMIORINGをその場でデザイン。
世界に一つの指輪をお作りします。

ここ福山ではもう4回目の開催。
毎回沢山のお客様にご来店いただき、
昨晩もフライングでご成約いただきました。

年に数回しかないイベント。
沢山のお客様に会えるのが楽しみです!  
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Posted by まーちん at 09:52Comments(0)MIORING

2011年10月08日

福岡の天神にて

3連休の初日は福岡からです。
新幹線も街もすごく賑わってます。

連休に出歩くことが少ないので、ちょっとビックリ。
先日福岡にオープンしたMIORINGの取扱店を訪問しています


オシャレなショップが並ぶ大名の
旬のブランドが並ぶブライダルジュエリーセレクトショップです。
とても明るくて、入りやすい店内。
スタッフも親切で丁寧です。

ぜひ立ち寄って、MIORINGをその手にとって見てください。  
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Posted by まーちん at 14:00Comments(0)MIORING

2011年10月07日

ペンタブ導入

工房の自分のデスクにも
ペンタブレットを導入いたしました。


ウェブサイトにアップする画像をはじめ、
一日中フォトショップやイラストレーターを触っているので
前から欲しかったペンタブ。


最近のはタッチのジェスチャーにも対応しているんですねー。
素晴らしく便利。


使いこなせるように頑張ります。  
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Posted by まーちん at 13:26Comments(0)アトリエ・フィロンドール

2011年10月06日

読書日和

7・8・9月と無休で営業でしたが、
10月に入って通常通りの木曜定休に戻りました。

今日は天気もよく気持ちのいい日和。

バルコニーに椅子を出して
読書にいそしんでおります。


あー、気持ちいい!  
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Posted by まーちん at 16:45Comments(0)日常

2011年10月05日

スイッチオフの日

昨日はお休み。
外にも出ず、1日家におりました。

たまにはスイッチを切る日も必要ですよね...
と自分を甘やかしたりして。


あんまりくつろぎすぎたので、
夕方になって軽くランニングをしてきました。


好きな音楽を聴きながら
秋風に吹かれるのも気持ちがいいです。  
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Posted by まーちん at 09:56Comments(0)自分のこと・考え事

2011年10月03日

感謝のロールケーキ

今日はお客様から素敵な差し入れをいただきました。


一度納品させていただいた結婚指輪ですが、
シルエット調整のために、静岡から何度も足を運んでくれたお客様からいただいたものです。



ワックスで作った原型を試着していただくとはいえ、
オーダーメイドは完成品そのものをご覧いただけないため、
デザインを担当する人間の力量が問われます。

お客様に心の底から満足していただけない場合があるとしたら、
それは担当者のデザイン力、技量、コミュニケーション能力が及ばなかったということ。

お客様はみんな優しいので「よかった、いいですよ!」と言ってくださるのですが、
笑顔を見ると「本当に喜んでくれたかな?」と気になる場合もあります。
「本当に大丈夫ですか?」と伺ってみたところ、
指輪の微妙な曲がり方や、表面のボリューム感などの気になる点を伝えてくださいました。

数回の修正を経て、
「何度も直していただいてありがとうございました。」
と持ってきていただいたケーキは、
お客様が気を使って用意してくださったもの。


まだまだ力が及ばない自分を省みながら、
優しいお客様への感謝を感じたロールケーキでした。


K様、ありがとうございました。
喜んでいただけてよかったです。  
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Posted by まーちん at 16:23Comments(0)アトリエ・フィロンドール
プロフィール
まーちん
まーちん
静岡県浜松市出身。
大手企業で法人営業を経験後、ジュエリーをはじめとした高級品の外商部門へ配属。宝石や営業への苦手意識や怪しそうな先入観があり、克服したい思いと逃げ出したい思いから配属初年で全国トップセールスとなる。
数年後、部門の買収を機にIT関連企業から声をかけていただき転職、ジュエリーWEBショップサイトを運営する。
オリジナルジュエリーを企画・販売する中で、いつしかジュエリーを好きになっている自分に気づくと同時に、あまりにもそれを知らないことに気付く。宝飾業界の販売のあり方にも疑問が募り、販売技術だけでなく「ジュエリーそのものを1から学びたい」との思いが芽生えたため、退職してイタリア・フィレンツェのジュエリースクールに単身留学。
多くの熟練マエストロ達からイタリア式ジュエリー制作、フレンツェ流透かし、デザイン、彫刻などを学ぶ。

帰国後、ヨーロッパスタイルの「工房&ショップ」でオーダーメイド・ブライダルジュエリーを制作するアトリエフィロンドールへ仲間入り。様々なジュエリーの現場経験と製作経験を生かして、理想のジュエリーづくりのお手伝いをする。
・GIA(米国宝石学会)ダイアモンド修了士。
・ブライダルジュエリーブランド「MIORING」、「HISTOIRE de Filondor」ディレクター
・1級ジュエリーリモデルカウンセラー(JRC)

アトリエ・フィロンドール
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